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iPhone SEは高止まりしている日本のスマホに一矢を報いるかもしれない

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一、二日出遅れた感がするので、いつもの『iPhone SEに思うこと』的な内容ではなく、少し別のアプローチをしてみることにした。

www.apple.com

 

iPhone SEiPhone 5sのただのバージョンアップではない

事前のリーク情報のうち、『外観はiPhone 5/5sを踏襲する』は的中していたが、『スペックに大きな向上はない(iPhone 6sよりも劣る)』はハズれ、スペックは最新機種のiPhone 6sとほぼ同等となり、さらにローズゴールドも用意されている。

www.itmedia.co.jp

外観を踏襲したiPhone 5sは息の長い製品で、発売から2年以上経つ今でもApple StoreSIMフリーとして、Y!mobileから低価格で発売されている(SEの登場と同時にApple Storeサイトからは姿を消した)

iPhone SEiPhone 5sのバージョンアップではなく、iPhone 6sの小型版iPad風に言えばiPhone 6s mini、Xperia風に言えばiPhone 6s Compact)の方がしっくりとくる。

 

スペック以上に驚きの、5万円台からの価格設定

iPhone SEの公式発表された内容はニュースサイトの記事を読んで知ったが、『スペックは6sと限りなく近い』とあったので、「AppleのことだからiPhone 5cの時のようにせいぜい1万円引きかな?」と思いつつスクロールして価格を目にした時に衝撃を受けた。

  • iPhone SE 16GB 5万2800円、64GB 6万4800円
  • iPhone 6s 16GB 8万6800円、64GB 9万8800円

iPhone SEはiPhone 6sに対して、3万4000円もディスカウントされている。

外観はiPhone 5sと同じなので製造ラインなど流用できる部分は多く、ロジックボードもチップ周りやカメラの違いはあっても設計を一新するまでに至らないはずなので、コスト削減の余地はあるだろうが、ここまでディスカウントされたことが一番のサプライズだった。

ただ、iPhone SEアメリカでは16GBモデルを399ドルに設定しており、現在の為替レート1ドル113円を適用すると45,000円前後となるはずが、「iPhoneが大好きな日本人なら、これでも売れるだろう」とボッタくられているのか1ドル約132円に設定されている。それでもおトクであることには変わらないが…

 

高止まりしている日本のスマホ価格

大手キャリア3社から発売されているスマホは毎月の割引を含めなければ、多くはミドルレンジモデルで7万円台~、ハイエンドになると9万円台〜と端末価格は高止まりしている。

しかし、SIMフリー端末の個人輸入サイトEXPANSYSでは、SONY Xperia Z5が約65,000円、Samsung Galaxy S6 edgeが約77,000円で売られており、ドコモ版だと約93,000円くらいしておサイフケータイに対応していたとしても割高感は拭えない。

ここに一矢を報いたiPhone SEは発売価格が5万円台からなので、大手キャリア3社から購入して毎月の割引がどれだけ付くかはわからないが、一番割高な機種変更でも実質0円~数千円の可能性は十分にある。

ただ、これは「Androidに一矢報いた」と言う話だけではなく、iPhone 6s/6s Plusについても他人事ではなく、自身の首を絞める事にもなりかねないし、ましてやキャリアはiPhoneシリーズはかなりのノルマを課せられていると聞くがいいのだろうか…

また、MVNOで運用する上で現状は24ヶ月ほど使わなければSIMフリーiPhoneを買う端末代の元が取れなかったが、iPhone SEの登場でより短期間で元が取れるようになる。

 

iPhone 6sと異なる点

多くはiPhone 6sと同じ仕様だが、それでも異なる点はいくつかあるのでその中から個人的に気になったポイントを。

ディスプレイサイズはiPhone 5/5sと同じ

iPhone 6/6sとは本体サイズが異なるので当然ディスプレイサイズと解像度も異なってiPhone 5/5sと同じになる。ただ、PPI(Pixel Per Inch:1インチあたりのピクセル数)iPhone 6/6sとも同じなので「ドットが粗くなった」と言うことはない。

3D TouchとTaptic Engineには対応せず

iPhone 6s/6s Plusの目玉機能の一つだった、感圧式センサー3D Touchには対応しておらず、押し込んだ際に指へ振動として返すTaptic Engineにももちろん対応していない。

指紋センサーは第1世代のまま

iPhone 6s/6s Plusになってから指紋の認証スピードがより向上して、ホームボタンを押したと同時にと言っても過言ではないくらい早くなったが、iPhone SEではiPhone 5s/6と同じ第1世代(旧世代)のモデルに据え置きとなっている。

フロントカメラが1.2Mピクセル

自撮りやビデオ通話をしなければ気にならない部分だが、フロントカメラの解像度についても据え置きとなっている(微妙な差だがF値も2.2→2.4と暗くなっている)
ただ、アウト(背面)カメラはiPhone 6s/6s Plusと同じ12MピクセルでLIVE Photos(画像+前後2秒の動画)にも対応している。

MIMOとLTE-Advancedには対応せず

複数アンテナの電波を束ねて高速化するMIMO、複数の異なる周波数の電波を束ねて高速化するLTE-Advancedには対応していない。個人的な感覚としては、いずれもスマホではあまり恩恵がない気はしているが…iPhone 5sからの差として新たにacにも対応している)

32GB、128GBモデルはなし

ストレージについては、32GBモデルはiPhone 6/6sと同様に用意されておらず、128GBのモデルもないので、現在32GBモデルを使っている人は64GBに、128GBモデルを使っている人だとiPhone SEは難しいと思われる。

 

サイズ(縦・横・高さ)iPhone 5sと同一、重さもたったの1gしか増えていないので誤差の範囲だろう。

 

最後に

個人的には『大きいは正義』なので、iPhone SEが出てもiPhone 6s Plusを購入したことに一遍の悔いもないし、買うつもりだってない。

ただ、周りを見ていると「iPhone 6sはサイズがデカイから、iPhone 5sを使い続けている」人はそれないにいるので、その人達のニーズを満たすのは確実で、コンパクト信仰が根強い日本市場では間違いなくヒットするだろう。

また、これまでAndroidiPhoneの2台持ちを躊躇していた人にも、5万円台からSIMフリーiPhoneが持てるとなると、検討の余地があるのではないだろうか。