飛行機の座席の快適さはどこも同じだと思っていませんか?
『新幹線の座席の快適さはどこも同じだと思っていませんか?』の記事がご好評いただいているので、今回は飛行機(旅客機)編。
エコノミークラスで快適なシートを
新幹線にグランクラスやグリーンがあるように飛行機(LCC除く)にもファーストクラスやビジネスクラスなどの快適なシートが設定されている。
だが、「束の間の快適さにお金を出すより、現地でその分贅沢したい!」派の方向けの『エコノミークラスの中でいかに快適なシートを選ぶか』の話しで、今回も「快適性ならやっぱりファーストかビジネスクラスっしょ」って人には何も言うことはない。お引き取り願おう。
飛行機のサイズとシートマップ
飛行機は需給に応じて機材を変えているので、同一路線でも時間帯によって機材が異なることでシートマップ(シートの並び)も異なる。3-4-3(横一列にシートが、3席|通路|4席|通路|3席)、2-4-2、3-3-3、2-3-2、3-3などがあって、「3-4-3で1人の場合はここで、2人の場合は~」と書くにはパターンが多過ぎるので、今回はエリアごとの特徴についてまとめてみた。
窓側と通路側
窓側と通路側については新幹線の記事での解説(日が出ているうちは窓側、沈んだら通路側)より飛行機は複雑である。
国内線は窓側
搭乗時間が1~2時間と短い国内線では窓側のメリットが多い。
- 飛行高度が低く窓からの眺めを楽しめる
- (新幹線と違い)昼夜問わず眺めを楽しめる
- 窓を壁として寄りかかって眠れる
- 他人のお手洗いで起こされない
対してデメリットは、お手洗いに出る場合は声を掛けなければならないことだが、搭乗前に済ませておけばフライト中のお手洗いをゼロにすることも不可能ではない。
国際線は通路側
国際線でも台湾や韓国など短距離路線なら国内線と同じ理由で窓側で良いが、中~長距離路線では少し事情が異なる。
- 飛行高度が高いのであまり景色に変化がない
- 睡眠時間になると窓を閉めなければならない
- 外気との兼ね合いで中央より窓側は温度が低い
- 半日近くをお手洗いゼロで過ごすのは難しい
この中でお手洗いの問題が特に深刻。食後など周囲が起きている内にお手洗いを済ませておくのが理想的だが、寝静まったタイミングで催してしまった時に「すみません、前通ります」と声を掛けるのは気を使う…
その点、通路側はメリットが多い。
- (他人に声を掛けずに)いつでもお手洗いに行ける
- CAさんへ声を掛けやすい(飲み物をもらいに行きやすい)
- 頭上の荷物の出し入れがしやすい
- 窓側よりも1つの並びにおける座席数が多い(3-4-3なら窓側2に対して通路側4)
ただ、通路側は自分が声を掛けずに済むことがメリットであって、窓側に座っている人がお手洗いに立つ場合は声を掛けられる(起こされる)。それでも、自分から声を掛けることに比べれば…
中方と後方
ファーストクラスやビジネスクラスが前方に設置されているので、エコノミクラスで選べるシートは中方(主翼の辺り)と後方のいずれかとなる。
国際線なら中方
国際線での楽しみの一つが機内食。
2種類以上のメニューが用意されていることが多く、品切れしないよう調整されていても計算外の事態は起こりうる。前方から順に配膳が行われるので後方ほど選べなくなる確率は上がるので好き嫌いが多かったり、ビーフ オア チキン?を選びたい場合は中方が良い。
また、中方は主翼が近いこともあって相対的に揺れが少なかったり、目的地に到着して降りる場合は後方より先に機体から出て入国審査を通過できるのもメリット。
中方のデメリットは
などがある。
国内線なら後方
機内食も入国審査もない国内線で中方を選ぶメリットは少ない。
むしろ、搭乗率が高い場合は効率的な搭乗のために後方が先に搭乗できるので頭上の荷物スペースを確保しやすかったり、席は前から埋まりやすいので隣がいない可能性は中方より高い。
そして、自分のように窓から外の写真を撮りたい場合も主翼を気にせずに撮ることができる。
右側と左側
並びの座席数が原則左右対照な飛行機では、右側と左側の差は少ないが一つは外の景色。
飛行予定の航路をANAもJALもウェブで公開しているので、左右どちらも空きがある場合には(当日の天候によって変更する可能性があるが)飛行経路から見所を探すのもいいかもしれない。JAL ANA
他にも、flightradar24では実際の飛行ルートが確認できるので、海外の航空会社の場合は同サイトにて確認する手もある。
国際線で窓側を選ぶ場合は、機内食を食べる場合に利き手と反対側を選ぶと窮屈感が解消されるかもしれないが、逆に気を遣うタイプなら利き手と同じ側を選ぶのも手ではある。
最前列(非常口)と最後尾とアッパーデッキ
エコノミークラスの最前列と最後尾は好みが極端に分かれる。
とにかく足を伸ばしたいなら最前列 ※条件多し
エコノミークラスの最前列は非常口の真横で、万が一の事態があった時に緊急脱出のお手伝いをしなければならず、年齢制限や足元へ荷物が置けない、英語が話せる(海外の航空会社の場合)などの制限があるが、前方に席がないのでシートピッチの狭いエコノミークラスであっても前に席がないのでゆったりできるし、お手洗い問題も解消される。
非常口座席に関するルールの変更について | ANA SKY WEB
リクライニングに気を使わずに済む最後尾
最後尾はシートピッチの狭いエコノミークラスで唯一気兼ねなくリクライニングできる席となる。ただ国際線の場合には、その代償として機内食は一番最後、お手洗いやギャレーから近いので耳栓やアイマスクは必須。
アッパーデッキは国内キャリアでは無くなったが
国内キャリアのJALもANAもアッパーデッキ(2階建て)のボーイング747は旅客向けには退役してしまったが、海外のキャリアではLufthansaやタイ航空などは現役で活躍している。
ただ、いずれも2階はエンジンから遠いことや搭乗は2階を優先させることもあってビジネスクラスとして利用しているのでエコノミーとしての選択肢は無さそう。
国内キャリアではボーイング747が退役して2階建ての機材はなくなったが、総2階建てのエアバスA380を今年ANAが導入を正式発表しており、既に就航しているタイ航空などのシートマップを見るとおもしろい。1日も早い導入に期待。
一例
国際線で2人で乗る場合だとシートを選ぶ順番はこんな感じ。
3-4-3(ABC||DEFG||HIJ)の場合
- DE or FG
- BC or HI
3-3-3(ABC||DEF||GHI)の場合
- DE or EF
- BC or GH
2-4-2(AB||CDEF||GH)の場合
- AB or GH
- CD or EF
2-3-2(AB||CDE||FG)の場合
- AB or FG
- CD or DE
両側2席の機体(2-3-2や2-4-2)でそこが空いていればそこを抑えるのが一番いいが、両側3席の場合は窓側を捨てて中央の通路側のどちらかを選ぶのがいい。
また、比較的空いている便なら3席シートの両端を取って間に誰も来ないことを祈る手もあるが…リスクは大きい。
そして、前後については国際線だと中方か後方の前寄りが望ましい。
最後に
これ程までに快適性を追い求める理由の一つに、機内で適切な時間に睡眠できるかが現地に着いたその日から(時差ボケせずに)フルに楽しめるかが掛かっているからである。
そして、シート選びと同じがそれ以上に国際線での睡眠において、アイマスク、耳栓、ネックピローの三種の神器が必須アイテムとなる。
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それではよい旅を。