無料プランの改悪が発表されたEvernoteに思うことを
Evernoteはスマホデビューした2010年1月以来、クラウドメモアプリとして長らく使ってきたアプリの一つ。しかし、本日(2016/6/29)無料プランの改悪が発表されてデバイス複数持ちの自分には無料プランでは到底使えるレベルではなくなった。
Evernoteの使用用途
Evernoteがどんなサービスかの説明が必要であれば公式サイトのリンクを参照。
個人的な使用用途としては、ブログのネタやテレビや雑誌で見た行きたいお店のメモだけではなく、Google Chromeの拡張機能でブラウザの表示内容を簡単にクリップしておけるので旅程表や申込控えなどの保管にも使っていた。
デバイスもスマホやタブレット、パソコンなどすべてにインストールしていて、無料プランながら十分に使えるサービスだった。
Evernoteとフリーミアムモデル
Evernoteは無料で基本機能は使え、付加機能や容量を追加する場合は月額費用を払うフリーミアムモデルを採用している。
このビジネスモデルはDropboxやiCloud、日経新聞電子版、Slackなどでも用いられているが、「いかにしてマネタイズしていくか?」が肝なのは言うまでもなく、ユーザに「有料プランに移行すれば今よりもっと良くなる」と思わせられるかに掛かっている。
自分の観測範囲内において「ネットのサービスなんかにお金を払いたくない!」ユーザが一定数いる中で、自分はドコモのdが付くサービス、LINEスタンプ、オンラインゲーム、アプリのアドオン、アマゾンプライム会員などオンラインサービスに対する金払いは良い方だと思うが、それでもEvernoteの有料プランを契約する気になれなかった。結構お世話になっていたにもかかわらずに。
Evernoteの有料プランに移行しなかった理由
Evernoteの有料プランに移行しなかった一番の理由は『基本機能だけで満足できるレベルであった』ことだ。個人の利用においてクラウドメモサービスに求めることは、あらゆるクライアントで同期がとれて、テキスト検索でノートを探せることくらいで、フォントサイズやカラーを変えたり、タグをバンバン貼ったりすることはほぼない。
また、テキストの利用が主なので、無料プランでは月60MBのアップロード容量制限があっても、それを超過するほど使うことはなく有料プランに移行してまで使いたい機能がなかった。
Evernoteの代替サービスが育ってしまった
ネットのサービスがスマホへの移行期だった2010年から2〜3年は、Evernoteのアプリとしての完成度・安定性が高くて代替サービスもほとんどなく敵なしだった。しかし、ネットユーザがパソコンからスマホ・タブレットにシフトしてきた現在においては、Evernoteの代替サービスが育ってしまった感が否めない。
Google - Keep
メモ機能だけならGoogle Keepはとても使いやすい。
メモの共有やリマインダー設定、画像挿入、ラベル指定、テキスト検索などEvernoteにあるほとんどの機能をカバーしているだけではなく、文字装飾ができないのでブラウザからコピペする時にコピー元サイトのテキスト情報に左右されないのはメリット。
少し前にiOS版がリリースされてクラウドメモサービスはKeepで十分満足できる。
Read It Later - Pocket
Evernoteでメモとは別に使っていたもう一つの機能がWebクリップ。
ニュースサイトやRSSリーダで読んでいた記事で「おっ、これは取っておきたい」と思えるものがあると、ブラウザのお気に入りに入れておく手もあるがサイトが閉鎖したり、ページが削除されていた場合に閲覧ができなくなる。Webクリップ(Pocket)アプリはサイトのデータをクラウド上に保存するので、スマホで保存したものをパソコンで呼んだり、サイトが閉鎖したり、元の記事が削除されていても閲覧できる。
また、旅程表や申込控えをわざわざ控えたり印刷するのは手間だ…って場合も、PocketならGoogle Chromeの拡張機能と併用すればワンクリックで保存しておける。
Microsoft - OneNote
https://www.onenote.com/
Evernoteと機能的にもコンセプト的にも近いのがMicrosoftのOneNote。
MicrosoftのOfficeシリーズだと有償のイメージがあるが、OneNoteは完全無償化されており、Microsoft以外のAndroid、iOS、OS X向けにもアプリを提供するクロスプラットフォーム。
Evernoteとの違いを上げるとすれば、OneNoteはどちらかと言えばノートとして作り上げていく感じで、ちょっとした文章作成ならWordを使わずともOneNoteでできてしまう。あとは、Evernoteの無料プランではできなかったオフライン閲覧やアップロード制限がない、名刺管理ができるなどのメリットも。
もしも、「この機会にEvernoteからOneNoteに移行しよう」と言う人には、Microsoftが提供しているEvernoteからOneNoteへの移行ツールがオススメ。
Import content from Evernote to OneNote
最後に
Evernoteにあるデータのうち、テキストデータはGoogle Keepに、WebクリップはHTML出力してクラウドストレージに移すて、しばらくはGoogle KeepとPocketの2サービス体制で様子見かな。
それにしても、フリーミアムモデルって無料プランと有料プランの境目をどこに置くかってのは難しいよなぁ…あんまりガチガチに制限しちゃえばそのサービスの良さがわからないままアンインストール、ユルユルに開放しちゃえばEvernoteのようになる可能性が高いし…
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