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IPv6/IPoE+DS-Liteにしたらインターネットが激速になった話し

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我が家ではドコモ光(フレッツ光So-net)を契約している。

先の引越しでも今まで使っていた宅内から光接続のONUがそのまま使えるものと思っていたら、引越し先は築10年以上のためかVDSL方式で現在のONUは使えず。引越し後にONUをNTTへ返却して、別途NTTの工事業者が訪問でインターネットの開通する段取りが必要となった。

このことが判明したのは引越す2週間ほど前のことで事前調査(ポートの空き数など)や工事業者の空きなどから引越し後1週間は固定回線のない退屈な生活を送っていた。

恐れていたことが現実に

待ちに待った日曜日。

NTTの業者の人が朝イチ(9時過ぎ)で来て30分弱でVDSLモデムの設置工事が終わった。

業者の人が帰ってからこれまで使っていた無線ルータをモデムに接続し、「さて、どのくらいのスピードかな?」とスピードテストをしてビックリ(スピードテストのサイトに辿り着くまでのレスポンスで薄々察していたが…)。

日曜の朝10時で決して混み合う時間でないはずなのにたった10Mbpsしか出なかった。そして、昼過ぎには1〜3Mbpsに…

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「もしや、Wi-Fiの電波が混線しているのかな?」とアクセスポイントを再起動してみたり、有線でつなげても効果なし。

「もしや、VDSL端末やルーターがおかしいのかな?」と再起動してみるも効果なし。

「もしや、久々にWi-Fiにつながって色んな端末でアップデートが動いているのかな?」と数時間待ってみるも効果なし。

 

ピークタイムと呼ばれる19~22時にはよくて3Mbps、下記にはないけどヒドいと1Mbpsを切ることもありイライラはMAXに。

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引越し前は深夜や早朝・平日日中は上限の200Mbps近く、ピークタイムでも50Mbpsは出ていてとても快適なインターネットライフだったのが、引越し後のこの状況には絶望しかなかった。

改善策の模索

この手の問題は「あくまでもスピード(100Mbps)は理論値なので」と対応してもらえる可能性がとても低く「とりあえずドコモ光のISPSo-netから他に切り替えてみようかな…」と調べると、契約変更手数料2,000円+一部ISPは200円/月が上乗せされる。これで確実に改善されるなら払う価値は十分にあるけど、その保証はまったくない。

フレッツ網の終端装置までは速い!?

「そもそも集合住宅内での回線が遅ければ意味がないからなぁ」と、フレッツ網の終端装置までの回線速度を調べられるサイトがあったのを思い出し、スピードテストを実行してみるとピークタイムでも30Mbpsを超えていた。

https://flets-east.jp/

30Mbpsが満足できる数字かと言われれば個人的にはだけど、それでも現状の1Mbpsで動画のストリーミングどころか音声だけのネットラジオすらぶつぶつ切れる(バッファ中となる)現状からは脱却できる。

『フレッツ網の終端装置までは早く、そこから先(ISP)が遅い』となると機器の不具合や集合住宅内の問題ではなくなり解決策は絞られてくる。

ISPを変更する』はもっとも効果的であると思うがフレッツ網の終端装置は都道府県ごとにISPの割り当て数が異なるようで、同じISPでも「東京は遅いけど、地方だと早い」や「数ヶ月前まで早かったけど、(キャンペーンを打って加入者数が一気に増えて)最近は遅くなった」なんてことは珍しくなく『どこに変えるのが正解か?』は非常に難しい問題となる。

IPv4/PPPoEに問題アリ?

まずは現在のISPSo-net)で何とかできないかと調べてみると、フレッツ網の終端装置までの速度が早ければIPv4/PPPoE接続で輻輳している可能性が高く『IPv6/IPoEで接続すると改善する可能性が高い』との情報を得た。

現在はIPv4アドレスの枯渇も時間の問題とIPv6への移行期であり、まだIPv6に対応したサービスは少なく(メジャーな動画サイトだとYouTubeNetflixくらい)、ほとんどはiPv4であまり効果がない…のだが、そこを高速化するのがDS-Liteの技術(定番のネタだけど、任天堂は関係ない)である。詳しくはこちら。

techlog.iij.ad.jp

ここで一度今回の問題を整理すると、自宅から集合住宅を抜けてフレッツ網の終端装置までは特別遅くはなく、NTTとISPの境目にあたる終端装置のPPPoEで輻輳して大幅な速度低下を招いている。

そこで、PPPoEからIPoEに切り替えることで輻輳を避け、IPv4サイトとのデータ通信もIPv6通信に載せる(カプセリングする)DS-Liteの使用で高速化が可能になる…はず。

改善策の実施

何はともあれ、まずはSo-netのサイトからIPv6/IPoEを申し込む。So-netでは初期・追加費用なしで利用ができてオフィシャルにはサポートしていないがDS-Liteも使用できる。 

少し前に書かれたサイトだと「電話やメールで~」とあったが、現在はサイトから直接申し込みができるようになっている。

「IPoE接続」お申し込み時の確認事項 | 会員サポート | So-net

ただ、So-netの登録情報ではなくNTT東西に登録されている情報を確実に入力しないと進めなかった(我が家では結婚前から妻が使っていた回線を現在も使っていて、契約者?支払者?と使用者の名義が異なっていて不一致のエラーとなった)。

深夜1時頃に申し込むと2時には開通連絡がメールで届いていた。回線速度は遅いのに開通は早い。

以下は届いたメールの一部。

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次にIPv6/IPoE+DS Lite対応のルータの調達だが、DS-Lite対応はかなり数が限られている。

transix DS-Lite 接続確認機種情報

我が家ではルータと無線アクセスポイントを分けているので、高機能な無線機能があっても無線はOFFにするので、安価に購入できるアイ・オー・データ製がアマゾンで6,000円を切っているのでI-O DATA WN-AX1167GRに決めた。 

今回は一日でも早く試したかったのでアマゾンではなく会社帰りに家電量販店に寄って購入した。

ルーター本体。特に可もなく不可もなくの主張しない無難なデザイン。

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これまで使用していたNECの無線ルータを取り外して、VDSLモデムと本機をLANケーブルで接続。電源をオンにして本機の下部に記載されているSSIDを選び、パスワードを入力して接続完了。

そして、ブラウザから http://192.168.0.1 にアクセスしてルータの設定を…と言いたいところだがPPPoEでは認証のIDとパスワードをルータに登録していたのが、IPv6/IPoEでは認証の設定が不要のため、VDSLモデムに繋いだ瞬間からインターネットにつながる。

これは気のせいかもしれないが、インターネットに繋がると自動的にファームウェアのダウンロード→インストールが行われたのか、VDSLモデムとLANケーブルでつないで数分すると一度Wi-Fiが切断されて本体が再起動したかのような動作をして、改めてルータにアクセスして管理画面を覗いた時には最新のファームウェア(Ver.3.21)となっていた。

いざ、スピードテスト

さて、この新しくなった環境でスピードテストをやってみた(iPhone 6s Plus + Speedtest.netでサーバーは自動)。

IPv4/PPPoE

まずは昨日から今日のルータを交換する前のにかけて。

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一番下が引越し前でそれはもうとても快適なインターネットライフを送っていた時代。

下から2番目が開通した日の昼過ぎ。スピードもさることながら遅延も大きい。

上から3番目が翌月曜日の朝でさすがにこの時間は空いていてそれなりにスピードが出ており、遅延も少ない。

上から2番目と一番上がルータを交換する前でピークタイムに差し掛かっている為か朝ほどのスピードもなければ遅延もそこそこ大きい。

IPv6/IPoE+DS Lite 

ルータ交換後。まずは念のためIPv6を確認。

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IPv6アドレス対応について | So-net

そして、スピードテスト

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ピークタイムで1時間毎にスピードテストしてみたけど、上りこそはほとんど向上は見受けられないが、下りに関しては確実に速くなっている上に時間毎の変化も少なく安定しており、遅延も解消されている。

MacBook Proからフレッツ網までのスピードテストもやってみたが、Speedtest.netの結果と大差はなく今回のインターネットが激遅になっていたのは限りなくPPPoEの輻輳が原因である可能性が高いと言える。

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ただ、IPv6/IPoE+DS-Liteに問題がまったくないわけではなく、IIJのてくろぐから引用すると、

一方、デメリットもあります。従来の方式では家庭内に置かれたブロードバンドルータの設定は各人が勝手に変更することができたので、いわゆる「ポート開放」3設定を行い、自宅内にサーバを設置したりも可能でした。ですが、DS-Liteではそのような設定はできないので、自宅内にサーバを置くことは困難です。ただ、前述の通りCGN環境であってもNATが1回だけですむため、ゲームやIP電話で使われているNATを越えるための仕組みは同じように利用できます。

てくろぐ: DS-LiteでIPv4してみませんか?

とのことで、自宅内にポート開放をしてサーバを置くような使い方はできなくなるが、今のところ個人的には問題ないかな、と。

最後に 

そんなわけで、一時は絶望的だったインターネットのスピードをなんとか確保できた、と言う話しでした。

補足:今回は同じ条件になるようにしてスピードテストなどをしたわけではないので、その時々の環境によって結果は変わってくるものと思われます。また、回線速度については記載がない場合、下り速度を想定しております

 

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