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株は儲けるためじゃない。勝つためだ

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※前の家でのトレード環境を撮影したのがあったのでアイキャッチに。今はディスプレイ1枚

このニュースを読んだ時に思わず、同意したことがある。

www.sankei.com

 巨額の利益を得た個人投資家という立場とあまりに矛盾する考え方。「もうけたいわけではないのか」「お金に興味はないのか」と弁護人が聞くと、男はまたしても持論を語った。

 「予想して当たるというのが楽しいだけ。理解しがたいかもしれないが、旅行好きな人の中にも『旅行の計画を立てることが好き』という人がいる。(株は)その感覚に近い」「欲が減ってからもうけることができるようになった。欲に駆られてしまうと無理な取引をしてしまう」

株取引をやったことがない人や、長期的な資産運用と考えてやっている人にはわからない感覚で、デイトレードスイングトレードでやっている人にはきっとわかると思う。

株で儲ける」のは(株じゃなくてFXや先物でもいいが)、株を始めるきっかけでこそあれ、デイやスイングのような短期的な売買が増えていくと、いつからか「株で儲ける」ことから「株で勝つ」ことに主軸が移る。

人を相手にリアル・マネーをかけた勝負

株で勝つ≒相手が負けるであり(≒にしたのは、株はゼロサム・ゲームではないから)、その相手は昨日株取引をはじめたばかりのひよっこもいれば、超一流大学を出て年収何千万円、何億円ともらって証券会社のトレーディングルームにいる人まで様々だが(最近はプログラム売買も多いけど、アルゴリズムを考えている人はエリートなので)、株式投資(この場合は投機かもしれないけど)の世界では勝ち負けには年齢も性別も学歴も関係ない。「安く買って、高く売る」、「高く売っておいて、安く買い戻す」ができる人が生き残り、常にリアル・マネーで勝負するスリルがより快感を増幅させている。

機械損失を減らすには多くの資金が必要

「それなら、株で儲けた分は使えばいいのでは?」と思われるかもしれないが、多く勝つ(機会を得る)には多くの資金がいるし、それどころか特定口座にして利益が出る度に20%近く差し引かれるよりは1年に1度の確定申告後の納税タイミングまで証券口座に資金を入れておいた方が資金繰りはよくなる。

証券口座での売買と財布からの売買は似て異なるもの

だが、「自分も」と言うには儲けている額が桁違いなのでおこがましいが、大勝ちした日でもスーパーで値引きシールが貼ってあるのを見掛けると多少賞味期限が短くても10円、20円引きを買ってしまうし、「ちょっと贅沢を」と思っても牛丼屋でワンサイズあげたり、ハーゲンダッツを買うのがせいぜい。

リアルでは8万円のカメラ一つを買うのに何時間も掛けて検討してレジでの会計中ですら「あー後悔しないかな―、ちゃんと使ってやれるかな―」と思うのに、1単元で100万円を超える株や225先物ミニを1枚買い建て(200万円相当)は迷いなくバンバン売り買いできるのも、証券口座に入っているお金がゲーセンのメダルのような感覚になっているからかもしれない。

定番の負けパターン

そして、次第に儲けることから勝つことへと目的が移ってきてロスカット(負けを認めること)ができなくなり、儲ける→再投資の好循環から含み損→ナンピンの悪循環にハマり、最後は信用建余力が尽きて大負けして退場するパターンが非常に多い。

(ニュースの人は負けは負けと認められる境地に達しているようなので、今なお生き残っているのだとは思うが…)

自分も退場するまでには至らなかったが、3.11の東日本大震災の時は現物+信用+先物の全てを買いポジションで自己金融資産残高以上の投資をしていたので結構痛い目にあった。それを教訓にして今は儲けた分は再投資せずに趣味に使うようにして、過度なトレードは控えるようにしている。

株取引の中毒性

去年の時点で3.11の損失は取り戻しているので、明日にでも持っている株をすべて売却して株式と一切合切の関係を断ち切れば勝ち逃げできる。が、やはり「株で勝つ」快感を覚えてしまった以上はやめられなくなっており、せめてもの枷として投資金額は最大でも自己金融資産残高の半分を超えないようにし、原則は現物株取引のみでレバレッジを掛ける投資は避けるようなスタイルに切り替えている。

最後に

ニュースの人のような脱税は、毎年ほぼ丸一日掛けて確定申告の書類を作って送付し、期限までに納付している自分にとっては許し難いことであるし、もっと罰金を重くしてもいいと思っている。

だが、今回のように痛い目にあったとしても、「まだ株式投資を続ける」、「儲けるためではない、勝つためだ」と言うのはわからなくもない…いや、よくわかる話しだ。

 

さて、公募増資を発表して暴落したソニー株をどこで拾おうか。