決算投機(造語)についてのマイルール
上場企業の本決算は大半が12月と3月で、四半期ごとの決算発表は1、4、7、10月となる。決算発表の内容によって、普段はボラティリティ(価格変動)が小さく、出来高もあまりできていない(取引の少ない)企業でも一時的に株価が上下することがある。
予想が当たれば短期間で多くの利益を得られ、外せば大きな損失が出る【投機】(投資ではない)であるが、当たった時の「ほらね、思ったとおりでしょ!」って気持ちよさから、この決算投機(造語)は年間の取引高の半分以上を占めている。
今回はこの決算期の投機について、マイルール?作法?をまとめてみた。
信用取引で買う
いつも決算発表当日の前場寄付前(9時以前)に注文を出すが、日中の取引時間中に発表する企業もあれば、大引け後(15時以降)にする企業もあって、多いのは後者なので大体は一晩持ち越すことになる。
その株を保有する期間は最長でも翌営業日までとしているので(ストップ高、ストップ安にならなければ)、現物買いはせずにわずかに手数料の安い信用取引で買う。
例えば、50万円分の株をSBI証券 アクティブプランで買う場合、現物取引だと429円、信用取引だと239円に信用取引(制度)の金利2.80%で、239円+500,000円×0.028*(2/365)≒315円となって(1泊2日なら金利を乗せても割安)100円ちょっと信用取引が安くなるが、土日を挟むと微妙。
ポジションは買いのみ
株は『安く買って、高く売る』が原則。
だが、信用取引では先に売って(証券会社から株を借りて)、後で買い戻す(証券会社へ返す)『空売り(カラウリ)』もできるが、決算期の空売りは少々危険なので自主規制している。
決算がいい=株価が上がる?
もともと空売りは年に数える程しかやらないが、それでも決算期に『買い』のみとなると業績のいい企業を探しがち。
だが、企業が自社で決算の見通しを立てる『企業業績見通し』とは別に、アナリストがおせっかいにも人様の会社の業績を予想する『アナリスト予想(市場予想)』がある(ない企業もある)。
往々にして、企業業績見通しは保守的(弱気)で、アナリスト予想が強気である。
その為、いくら企業業績見通しを超過しても、アナリスト予想に達していなかった場合には『アナリストコンセンサス未達』で、失望売りとなって株価は下落する。
12時45分時点では50円(8.0%)安の569円まで売られている。前日に通期見通しを上方修正したが市場予想に届かず、失望売りを誘っているようだ。 前日の取引時間終了後に、2016年3月期通期の純利益が前期比63%増の62億円になると発表。従来予想(45億円)から大幅に増額したが、市場予想の中央値(65億円)には届かない。
また、決算が悪いことが決算発表前から予想され株価は下落の一途を辿り、発表された決算も案の定悪かったとしても、『悪材料出尽くし』で「これ以上悪くなることは無い」「あまりにも売られすぎだから買いだ!」と株価が上がる場合も。
国際帝石<1605>は大幅反発。前日に上半期の決算を発表している。上半期経常利益は2588億円で前年同期比30%減益、通期予想は従来の4790億円から4340億円に下方修正している。ただ、足元の原油市況の状況から業績の下振れは想定線、通期の市場予想は3900億円レベルであったと見られる。想定以上に業績は底堅いとの見方から、短期的な悪材料出尽し感が強まる格好のようだ。前日のNY原油市況の上昇なども支援材料。
この他、同業他社の決算が先に出ていて期待されて買われたが自社発表はサプライズなしで売られたり、業績の下方修正を発表すると同時に自社株買いを発表して株価を下支えしたり、好決算だが公募増資を同時に発表し希薄化を嫌気されて売られたりと、単純に決算がいい会社を選べばいいという話しではない。
これが、株式投資の難しいところ。
「ここは悪いだろうなぁ…」と誰しもが思っていた所で、思わぬサプライズが出た時の「キタキタキタキタ」感はいいんだよねぇ〜
銘柄選びと単元数
「今日、どの会社の決算発表があるか?」は、証券会社や投資情報サイトなどで確認できるので、前日の夜から当日朝にかけて情報を仕入れて朝の出勤中に注文を出す。
決算発表は3週間くらいで出揃うが、曜日によってムラがあり金曜日は400社を超えることもあって数多の銘柄から選ばなければならない。
特に業種によって時期がだいたい決まっているので、同業種同日の発表は多い。そんな時の判断材料は、チャートを見たり(いわゆる、テクニカル分析)、四季報を見たり、アナリスト予想を見たり、最低投資金額を見て、最後は企業名の好き嫌いで決める。
1日でどのくらい買うかはその時の気分や自信によるけど、投資金額の10%を失ってもギリギリ絶望しないくらいが目安。
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発表した翌営業日には絶対売る
銘柄選びより重要なのがこの『発表した翌営業日には絶対売る』ルールの徹底。
株式はどうしてもその企業に愛着であったり期待を持って、決算が悪くて株価が下がっても「この企業はまだ大丈夫!これから上がるから!」と塩漬けにしがちだが、これが株で負ける定番。塩漬けダメ、絶対!だから、自分の主戦場は先物。
好決算なら翌営業日の前場の寄成で手仕舞い。クソ決算なら前場の寄付はパニック売りの寄り底も少なくないので、後場引成の注文を出しておいて15時に手仕舞い。
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PTSという誘惑
市場が閉じている時間でも、PTS(通称、夜間取引)は【8時20分〜23時59分】でやっているので、投資ツールの市場選択を【東証】から【PTS】に切り替えると取引ができる(証券会社によってPTSの有無がある)。
これなら、15時に決算発表があっても翌日まで待たなくてもPTS取引ができてしまうが、個人がメインなので取引高は市場と比べて圧倒的に少なく、価格も決算発表直後に高くまで買われたり、叩き売られていたのが、翌日市場がオープンするとヨコヨコで乖離が大きくなっていることもそう珍しくない(過剰反応パターンが多い)。
PTSの価格が適正かどうかの判断が非常に難しく、現物取引のみなので今の信用取引で売買した分には使えないが、これを目当てに現物取引に切り替えるだけのメリットはあるかもしれない。
最後に
「結局、儲かるの?儲からないの?」って話しが気になるところだと思うけど、こうやって続けているからには成績は悪くはない。
ただ、その時の景気に左右されるし、好決算でもヨーロッパやアメリカが夜に暴落すれば、連れ安でトントンになることだってある。
ちなみに昨日買った2銘柄はどちらも日中に発表された。どちらも悪くも良くもない業績予想に近い感じで、一方は午前中に発表されたので午後の引成で損切り、もう一方は午後の取引時間中に発表されて昨日の引けで評価損。ルール通りに今日の寄成で損切り予定。0勝2敗。こんな日もある。
さて、気を取り直して今日は何を買おうかな?