北陸新幹線の東京⇔金沢を片道2,000円超安く買う方法
「上野、大宮駅から乗車する」、「パック(宿泊セット)で買う」、「えきねっとトクだ値(または、e5489)で買う」、「往路は北陸新幹線で、帰路は東海道新幹線を使う(以前の記事)」など、安く買う方法はいくつかある。
しかし、今回紹介する方法はこれらの中でも恐らく一番割引のデカい片道2,000円超安く買う方法。
スーパーモバイルSuica特急券
結論から言うとJR東日本のチケットレスサービス「スーパーモバイルSuica特急券を利用する」(以下、スーパーモバトク)である。
スーパーモバトク自体、真新しいものでも、最近になってようやく北陸新幹線で使えるようになったわけでもないが、案外知られていない買い方のようなのでここで紹介。
※ここでは北陸新幹線を例にしているけどJR東日本の東北、秋田、山形、新潟新幹線もこのスーパーモバトクはあって、仕組みも基本的には同じはず
なんと、東京⇔金沢が12,030円!
新幹線用の券売機やみどりの窓口で北陸新幹線の金沢⇔東京を買えば片道14,320円。
だが、このスーパーモバトクを利用すれば片道12,030円と片道で2,290円も安く乗れ、往復で4,500円以上安いのはとても魅力的であるが、制約事項がいくつかあるので注意が必要。
主な制約事項
この他にも幾つかあるので詳しくは公式サイトを確認していただきたいが、ここでは主なものを記載しておく。
モバイルSuica対応端末が必要、iPhoneは不可
モバイルSuicaと付いている以上は当然、モバイルSuica対応端末が必要となる。
おサイフケータイ(FeliCa)が使えるAndroidスマホやガラケーのユーザが対象でiPhoneユーザは不可。もちろん、自分のようにiPhoneとAndroidのスマホ2台持ちしているユーザは対象となる。
また、モバイルSuicaにはクレジットカード登録が必要なので、クレジットカードも必要(ビューカードなら年会費無料)。
国内で買えるSIMロックフリーのXperiaでは唯一のFeliCa対応端末だが、残念ながらまだモバイルSuicaには対応していない模様。
購入後の変更と当日分の購入は不可
新幹線のメリットの一つに「予定が変更となった場合、1回まで無料で変更できる」(えきねっと特典なら初回申込時の乗車日から3ヶ月以内なら何度でも)ことがあるけど、スーパーモバトクでは一切の変更ができない。
「えきねっと特典」とはどのような内容ですか。 | えきねっと(JR東日本)|よくあるご質問
恐らくは航空各社の出発○日以前なら50%オフ的なプランへの対抗と思われ、「それなら、当日に買えばいいや」となるかもしれないが、当日は購入不可なので遅くとも前日23:40までに購入しなければならない。
ただ、それでも払戻手数料が東京⇔金沢でも1,200円なので飛行機に比べれば十分良心的ではある。
すべての区間で利用できない
北陸新幹線でスーパーモバトクを利用できるのは「東京・上野・大宮」と「金沢・新高岡・富山」の区間のみ。
上越妙高から金沢までのようなケースでは利用できない。
すべての列車で利用できない
「使える列車に指定がある」とされているが、現状では北陸新幹線の「かがやき」も「はくたかも」臨時を含めほとんどの列車(多分、全部)が対象となっている。ただ、設定区間は時間帯によって異なり、上野や新高岡での乗降車が一部列車では対象外となっている。
対象となる列車と区間は公式サイトでPDFが配信されている。
座席には限りがある
これも航空各社の割引と同じで、券売機やえきねっとの画面から見れば空席があっても、スーパーモバトクでは空席がない場合もある。
その為、できるだけ早く申込んだ方がいいが、変更はきかないので難しいところではある。
事前予約不可
北陸新幹線の切符販売は1ヶ月前からとなるが、更に1週間前からシートマップでの座席指定はできないが、希望の列車と座席の並びや位置の希望は出すことができる事前予約があるが、このスーパーモバトクは1ヶ月前からの予約販売のみ。
降車駅からの在来線乗継は不可
東京から加賀温泉(金沢駅からさらに福井寄り)へ北陸新幹線を使って行く場合。
金沢駅から先は在来線で加賀温泉駅に行く事となるが、特急券を東京⇒金沢、乗車券を東京⇒加賀温泉で買えば+540円だが、乗車券を東京⇒金沢と金沢⇒加賀温泉で別に買うと後者が760円となって220円高くなる。
これは乗車時も同様で最寄り駅が武蔵小杉なら、JRを使うにしても武蔵小杉⇒東京の乗車券は別途購入する必要がある。
ここで一例として武蔵小杉駅から加賀温泉駅までの北陸新幹線利用時の乗車賃を計算してみる。
通常(みどりの窓口や券売機で購入)
※「乗車券(武蔵小杉⇒加賀温泉)」にまとめなかったのは、まとめると8,210円となって別々に買うよりも割高になってしまうから
その理由が気になる方はこちら
スーパーモバトク
- スーパーモバトク(東京⇒金沢):12,030円
- 乗車券(武蔵小杉⇒東京):302円
- 乗車券(金沢⇒加賀温泉):760円
- 合計:13,092円 (-2,070円)
スーパーモバトクでお得になるはずだった2,290円は、在来線に乗り継ぐ場合においてはいくらか目減りする(上記ケースだと220円)し、金沢駅から加賀温泉駅まで特急サンダーバードまたはしらさぎを利用するとなると、スーパーモバトクは乗り継ぎ割引が適用されないのでより差は狭まる。
その他
指定席のみで自由席の販売はない。
学割等の他の割引サービスは適用できない。
東京着で買えば東京駅以外の東京都区内の駅で降りても料金は掛からない「東京カッコ都区内」が使えない。
特急への乗継割も適用できない。
良くも悪くも閑散期や繁忙期であっても通常期の価格で計算されるので、年中一律の価格で購入できる。
最後に
スーパーモバトクの制約は少なくないが、予定通りに乗れた時のお得感は大きい。
スーパーモバトクとは別にモバトクがあって一律740円の値引きだが、全区間で利用でき、変更や事前予約、在来線への乗り継ぎにも対応している。
JR東日本:モバイルSuica>利用方法>モバイルSuica特急券
東京⇔金沢が北陸新幹線利用の大半を占めるであろう個人的な使い分けとしたらこんな感じかな。
- 高い確率で予定した列車に乗れそうな場合は「スーパモバトク」(2,090円引き)
- 予定した列車に乗れるか微妙な場合はえきねっとの「えきねっとトクだ値」(1,420円引き)
- 上記以外の場合は「モバトク」(一律740円)
この手のネタを書く度に思うけど、本当に鉄道の料金設定や割引は複雑でわかりにくい。
特に北陸新幹線はJR東日本とJR西日本が上越妙高駅を境にしているので、株主優待がほとんど安くならないし、チケット購入サイトもJR東日本のえきねっと、JR西日本のe5489で別々にあったり…
ちなみに、来月は北陸新幹線に乗る用事ができたので(ただの帰省だけど)、スーパーモバトクで買ってみようと思う。
北陸新幹線開通日に乗った時は切符を記念に欲しかったから定価で乗ったしなぁ〜