新幹線の座席の快適さはどこも同じだと思っていませんか?
新幹線の座席指定は1ヶ月前から予約開始となるので年末年始分が数日前から始まっている。
これまではANAの株主優待を使って不人気な(少し安くて空きのある)朝一番か二番の飛行機に乗るべく普段より早く家を出て羽田空港に向かっていたが、今年3月の北陸新幹線開通で上京6年目にして初の北陸新幹線での年末年始の帰省となった。
新幹線の莫大な輸送能力
少し話しは逸れるが、金沢⇔東京間における新幹線と飛行機での時間やコストは以前にも述べたように大差はないが、決定的に異なるのが『輸送能力』である。
飛行機
日本の航空会社ではジャンボジェット(ボーイング747)が退役した今、ボーイング777がもっとも大きな機体で約500人が乗れる。羽田⇔小松便は一日6往復がJALとANAで計12便となり1日の輸送量は4,000人程度となる(777以外の中型機767/787や小型機737も使っていたので)。
北陸新幹線(E7//W7系)
E7/W7系は1編成12両で934人が乗れて速達タイプのかがやきが10往復、停車タイプのはくたかが14往復の計22,000人超(立ち乗り除く)であり、飛行機の5倍超の輸送能力を有している(長野や富山、他への利用者もいるので単純に5倍にはならないが)。
また、輸送能力が高いことに加えて北陸新幹線の予約はえきねっとからなら何度でも変更が可能。
変更は原則1回限りです。2回目以降は払戻後、新規のお申込みが必要です。(※払戻時は払戻手数料が発生します。)
ただし、えきねっと特典が適用される列車の場合、変更期限内であれば何回でも変更可能です。
先の予定が立っていなくても3ヶ月先まで変更可能(仮に正月の帰省が叶わなくても3月下旬頃まで)で、これが飛行機だと新幹線との対抗価格(14,000円前後)になる特割を使うとキャンセル料が…
そんなわけで、飛行機だと数ヶ月前から変更しないつもりで予約する必要があったが、新幹線だと1ヶ月前でかつ変更可能な状態で予約が取れる。
快適な席はどこ?
本題に戻ると、席のネット予約はJR東日本が運営する『えきねっと』と西日本が運営する『e5489』があって、どちらもシートマップからピンポイントに列車と席の予約をすることができる。
しかし、いざ予約申込み開始直後(1ヶ月前の午前10時から)に席を取ろうとして、シートマップを開くと空きが多くて、どこを取るか迷うことがあるのではないだろうか。
「快適性ならやっぱりグランクラスやグリーン車っしょ」って人には何も言うことはない。お引き取り願おう。
12両編成の中で10両もある普通車の中から2人で乗る場合にどこから攻めていくかという話し。
北陸新幹線の前提知識
と、その前に北陸新幹線の1編成(12両)はどうなっているかと言う基本的な部分の話し。
- 金沢方面の先頭車両が12号車、東京方面の先頭車両が1号車
- グランクラスは12号車、グリーン車は11号車
- 3列シートの窓側からA・B・C席、2列シートの通路側からD・E席
- 景色は、3列シート側が日本海、2列シート側が立山連峰
- かがやきは全席指定、はくたかは1~5号車は自由席
空いていれば絶対にここ!【1号車1番D・E席】
1号車1番D・E席は、
- 東京→金沢(下り)だと「最後尾車両で(運転席真裏となる)一番後ろの席」
- 金沢→東京(上り)だと「先頭車両の一番前の席」
となり、進行方向に対して一番前か一番後ろになる席である。
メリット
- 横を通る人が少ない(駅到着時の1号車利用客と1号車1番A・B・Cに座る人)
- 車両にトイレが備わっている
- 客用扉の開閉率が少ない
- 東京→金沢(下り)では、後ろに席がなく気兼ねなくリクライニングできる
- 東京→金沢(下り)では、後ろに空きスペースがあるので荷物が置ける
- 金沢→東京(上り)では、前に席がなく足元が広いので荷物が置ける
- 荷物を置いてから新幹線の顔を撮りに行っても戻りやすい
デメリット
今回の帰省ではもちろんこの席を押さえた。
普通車だけど定員50名【1号車】
中間車両はトイレなしの100人、トイレありの85人に対し、1号車は運転席とトイレがあるので定員50名となっていて、普通車の中で最も少ない。
また、1号車は12号車のグランクラス同様に他の号車の人が入って来ることはない。
中間に位置しながらも定員58名【7号車】
中間車両でも7号車には車椅子対応・多機能設備トイレが備えられている為、そのスペース分の定員が減って1号車とほぼ同じの定員58名となっている。
多少の人通りが気になるが【10号車20番D・E席】
「1号車1番D・Eが最高なら正反対の10号車20番D・E席も一緒でしょ?」とは問屋がおろさない。10号車にはグリーン車(11号車)の客が9号車のトイレを使うのに通るためだが、グランクラス側のトイレは内装が普通車と異なるので、自分がグリーン車に乗ることがあれば間違いなくグランクラス側のトイレを使う。
ゆえに、他の車両の最前列や最後列よりは人通りが少ないと思われるが、過度な期待は禁物だ。
荷物が少なければ【奇数号車の中間列】
トイレが備わっているのは奇数号車+グランクラス(12号車)なので、奇数号車の席数は少ない。
また、新幹線は普通車でも飛行機のエコノミークラスと違って、シートピッチが十分に確保されているので、荷物がそれ程多くなければ客用扉の前になる最前列や最後列を選ばずに中間列を選ぶのも手だ。
一人ならA席とC席がオススメ
ここまで2人の想定できたが、1人で新幹線に乗る場合の席選びのコツも。
A席(3列シートの窓側)とE席(2列シートの窓側)のどちらに座るかで迷うと思うが、景色を気にしないのであれば個人的にはA席がオススメである。隣のB席が窓側でも通路側でもない一番得のない席なので埋まりにくく、E席よりも隣が埋まる可能性を排除できる。
夜であれば外の景色は見えないので通路側のC席の方がいい(北陸新幹線は全席コンセント完備なので、N700やE5/6系のようにコンセントが使いたい=窓側とする必要はない)。
つまり、一人の場合だとA or C席がいい。
最後に
新幹線には1編成すべてが指定席(かがやき、はやぶさ、はやて、こまち)で、満席の場合に限り(デッキで)立ち乗り乗車ができる『立席特急券』が発売される。
〔はやぶさ〕・〔こまち〕・〔はやて〕・〔かがやき〕においては、満席の場合は立席特急券を発売することがあります。料金は通常期の指定席特急料金から520円引きした額です(ただし、特定特急料金が適用となる区間については、特定特急料金と同じです)。
席がないゆえの立席特急券なのでデッキで立ち乗りになるのだが、新幹線の客用扉は感度がいいのかデッキにいる人に反応することがあり、人が通らないのに開いたり閉まったりしたことが以前あって気が散っていたので、集中して何かをしようと考えているなら最前列と最後尾の席は取らない方がいい。
また、12月より一部の車両(偶数号車+グリーン車(11号車))で1番席が荷物置き場に改修されることから、2番席が端となるので注意が必要。
北陸新幹線 E7系・W7系への荷物置場の設置について:JR西日本
それでは、よい旅を。
2016年8月16日追記
ご好評につき、飛行機(旅客機)編も書きました。