Apple SIMをiPad miniに入れて海外でWi-Fiルータ代わりに使った話し
これまでハワイ旅行のお供として(ネット接続用に)クラウドSIMの『GlocalMe G3』やプリペイドSIMの『mostsim』を紹介したが、実はもう一つ用意していたものがあってそれがタイトルにある『Apple SIM』である。
- コスパの良いプリペイドSIMが続々登場
- Apple SIMをあえて今買ってみた
- Apple SIMを買った理由
- Apple SIMのイマイチなところ
- ハワイでApple SIM(T-Mobile)の開通手続きをした
- 最後に
コスパの良いプリペイドSIMが続々登場
東南アジアや東アジアの旅行ではタイAIS社のプリペイドSIMはとてもコスパがよく対応している国も多い。
中国旅行においては中国聯通香港のプリペイドSIMがオススメで中国国内で購入するプリペイドSIMやホテルのWi-Fiでは金盾と呼ばれる情報検閲システムによって中国国外に拠点を置く会社のサービス(GoogleマップやGmail、iCloud、LINEなど)へのアクセス遮断を回避できる。そして、それ以外にも上記のタイAISでカバーしていない国や地域(ベトナムなど)をカバーしているのも強みの一つ。
また、先日紹介したばかりの『mostsim』は北米やハワイでの利用にてはかなりコスパの良いプリペイドSIMとなっている。
Apple SIMをあえて今買ってみた
突然だが『Apple SIM』はご存知だろうか?
個人的にApple SIMは認知こそしていたがプリペイドSIMと比べてお得感があるようには思えず、対応機種もセルラー通信が可能なiPad(iPad mini 3、iPad Air以降)とiPad Pro(初代)で、iPhoneシリーズを通して利用不可なのもあってネットでの情報も少ない。
Apple SIMはApple Storeスタッフの中ですらマイナーな存在?
渡航1週間前に都内のApple Storeでスタッフの方に「Apple SIMありますか?」と聞いたところ「アップル…シム…ですか?」とピンと来ていないようで、展示のiPhoneで【Apple SIM】と検索をしてヒットしたAppleのサイトを開き「これですかね?(へぇ…こんなのがあるんですね)」と言われた。
Apple SIMの対応機種は少ない
Apple SIM誕生からしばらくしてiPad Proの第2世代以降でApple SIM内蔵やeSIM対応のモデルが発売され、実質Apple SIMに対応する機種(=Apple SIMやeSIMが非搭載)はiPad Pro 第1世代(12.9インチ)、iPad Air 2~iPad 第6世代、iPad mini 3~iPad mini 4でiPhone XS/XRではeSIM内蔵のDSDSに対応して、今となってはわざわざiPadでしか使えないApple SIMを購入するのはかなりマイナーなのかもしれない。
Apple SIMは店頭販売のみ
Apple SIMはオンライン購入ができずApple Storeでの店頭購入のみ。しかし、運転免許証で身分確認を提示を要求されることもなければ、名前や住所を書いたりすることもなく500円+税をiDで払って終わりだった。
Apple SIMを買った理由
プリペイドSIMが安くて手軽に入手でき、iPhone XS MaxでeSIMも使えるようになった中であえて(マイナーな)Apple SIMを購入したかというと、以下の理由からである。
Apple SIMは何度でも繰り返し使える
基本的に使い捨て(使い切り)のプリペイドSIMと異なりApple SIMは何度でもチャージして繰り返し使える。
プリペイドSIMでもチャージできるものもあるが基本的には使い捨てなので、旅行中にデータ量が上限に到達して使えなくなたり、128kbpsで制限されたりすると非常に不便なので1日1GBを基準に計算して必要なら同じものを2枚購入することもある。
Apple SIMはデータ量が上限に到達してもiPad上で簡単に追加購入ができるので、余裕を持ってプリペイドSIMを2枚購入したり、現地でプリペイドSIMの販売店を探したりせずに済む。
eSIMはまだまだ対応している国が少ない
eSIMとApple SIMは別物で、Apple SIMに対応しているキャリア=eSIMに対応しているキャリアではなく、iPhone XS/XRでeSIMが解禁されたiOS 12.1では対応する国は数ヶ国でApple SIMと比べてその差は歴然としていた。
しかし、これについてはハワイ滞在中にiOS 12.1.1がリリースされてシンガポール、香港、タイ、台湾などが増えてアメリカでもAT&TやT-Mobileなどが追加され執筆時点では20カ国を超えたが依然として世界180カ国以上に対応するApple SIMに優位性がある。
現地に着いて出国審査を待つ間にサクッと開通
Apple SIMで現地のキャリアと契約をするのにも当然データ通信が必要になるので「Apple SIMを契約するためのプリペイドSIMが必要では?」と思われるかもしれないが、Apple SIMが入ったiPadで設定→モバイルデータ通信を開いてキャリアを選択すると契約用のページが表示されるので心配は御無用(開通手順は下記に記載)。
アメリカはプリペイドSIMよりApple SIMが安い
アメリカではT-Mobile以外にも選択肢はあるが、T-MobileのiPad向けプラン5ヶ月間5GBが$10のプラン(5GB for $10)がとてもコスパが良かった。
ただ、T-Mobileはワイキキ・ビーチ沿いの見通しのいい場所や主要道路においてはほとんど問題なくつながっていたが、地下の店舗やアラモアナ・ショッピング・センターのフードコートなど一部電波の入りづらい場所では途切れることもあった。
Apple SIMのイマイチなところ
Apple SIMはメリットもあるがデメリットもそれなりにある。
iPadを持ち歩かなければならない
Apple SIMはiPadにしか対応していないので(iPadで契約してiPhoneに挿し替えてもNG)、旅行中はiPadを常に携帯しなければならない。
小型のiPad mini 3を使っている自分ですら「デカいし重いし邪魔だな…」と思うことがあったのでiPadやiPad Proの所有者はさらにその思いは強くなるだろう。
iOS同士のテザリングの仕様がイマイチ
これはApple SIMに限った話ではないが、iOS同士のテザリングでは一定期間画面操作がなかった場合にはテザリングを切断してしまう仕様のようで、iPhoneを使うのに取り出すとテザリングが切れていて都度iPadの画面を一度点けてやる必要があったが、これについては回避する策がある。
Androidスマホやタブレットをテザリングの子機の一つに加えAndroid側で「スリープ時もWi-Fiを常に維持する」の設定を有効にすることでiPad側のテザリングがオフにはならない。しかし、iPhone側は一定期間画面操作がないと相変わらずiPadとの通信は切断されるがiPad側のテザリングは維持されているのでスリープを解除して数秒で接続される。
そんなに安いわけではない
クラウドSIMなどと同様にコスパで考えてしまうとアメリカほどのおトク感がある国はほぼないことに加えて、料金表がないので結局プリペイドSIMが安そうだととりあえずプリペイドSIMを買うしかないのが現状。
ハワイでApple SIM(T-Mobile)の開通手続きをした
ダニエル・K・イノウエ空港(旧ホノルル空港)での出国審査待ちで並んでいる最中に契約を進めようとしたがT-Mobileの電波の入りが悪くて、結局GlocalMeで購入時に付与されたインターナショナルプラン(多分、AT&T)を使って契約した。
モバイルデータ通信を開くとキャリアの選択画面が表示されて、T-Mobile以下のAlwaysOnlineとGigSkyはグローバルサービスプロバイダで世界中で使える反面、お値段もそれなりなので『T-Mobile』を選択する。
T-MobileではApple SIM向けにおトクな『5GB/5ヶ月のデータ通信プランがUS$10』プランを提供しているのでこれを選択する。
アカウントの作成画面はすべて英語だが中学英語を少しでもできれば問題ない(以下の画面はパスワードを忘れた場合に使用する「秘密の質問」)。
住所は滞在先のホテルなどでOK。
無事に開通すると登録したメールアドレスに何通かメールが届いて数分で開通の確認ができた。
モバイル通信プランに追加される。
最後に
料金はキャリアごとに異なるのでAppleのサイトでは対応している国の表示はあっても、どんなプランがあるかについては明記されていない。
だが、大体はプリペイドSIMと同じかかそれより少し高いくらいで、アメリカのようにApple SIMの方が安いパターンは多くない気がするが、これのメリットは事前調達なしに必要な分だけ契約できることかと思う。
また、現地にて契約するページは英語となるが、First Nameとかe-mail、Address(現地のホテル住所を入力)などの簡単なものなので特に苦労することもないかと思う。
そんなわけでハワイはプリペイドSIM、GlocalMeのクラウドSIM、そしてApple SIMと万全な体制で行き、行きたかったところや見たかったものはすべて見て帰ってくることができた。